望月

居眠り磐音の望月のレビュー・感想・評価

居眠り磐音(2019年製作の映画)
4.5
極めてオーソドックスな時代劇。松坂桃李を起用ということで彼のファン層に向けてアピールした作品かと思ったが、そうではなく、一般的な時代劇ファン向けの作品。

原作は未読だが、同じ原作を基にしたNHKの「陽炎の辻」は好きだった。それに比べて見劣りする要素は無い。
一新されたキャスティングで新たな気持ちで楽しめた。

主演の松坂桃李だが、特撮出身の動ける役者が時代劇に出演すると殺陣がハマると見応えがある。

それ以外で特筆すべき点として、狂気にみちた血まみれの柄本佑の絵面がとても良い。これだけでも一見に値する。
彼の父親である柄本明の怪演も流石と思うし、現代劇でも時代劇でも悪役の似合う浪岡一喜もとても良い。
師匠役の佐々木蔵之介と松坂桃李の道場でのシーンも迫力がある。
しかし、昨今の俳優は背が高いので、それと切り結んで絵になる役者をあてがうとなると、従来の時代劇役者ではなかなか難しいのではないかと思った。

とにかく、旧来の時代劇を令和の世に知らしめる良作であることは間違いない。
望月

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