邦画のいいところの1つは、作品にもよるがまどろみの中にいるように優しく暖かく切ない時間が過ぎることなのではないか。
「君の膵臓をたべたい」を見た時もその感想を抱いた気がする。
そうちょっと思った作品だった。
木漏れ日の中で日向ぼっこをしつつ、時たま土砂降りにびっくりしてしまうような感覚の映画。
「最初の悲劇」に対して主人が「何か裏があるように思う」という発言をしたのだが、それに対して何も回答がなかったことが個人的には残念。
最後の切なさと美しさとやるせなさに胸が引き裂かれる思いだった。なおさんはきっと、待ってるんだと思ったから。
いつになるかわからないけど、2人がまた一緒になれたらいい。
「どうしてこんなことになってしまったんだろう」と、末端の者たちは自分の運命を呪い、嘆き、それでも生きることを選ぶ。その力強さが根底にあり、猫のまどろみを、ひだまりの暖かさを、雪の寒さを垣間見せる。人生とはそんなものなのかもしれない。