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ホットギミック ガールミーツボーイのallyのレビュー・感想・評価

3.7
おしゃれだけど着飾っていない、純粋な映画。





最初の、コンドームの箱を川に放り投げるシーンからおお!ってなって楽しかった。

そしてそこでもう分かっちゃうから。




どちらかといえばなかなかベタなストーリーなんだけど、新しさや驚きが多くて不思議な感覚だった。


まず、役者の演技が凄い。
キャラが分かりやすく設定されてて、それに最高に合うキャスト達。
いちいち艶めかしく話す板垣瑞生くん。
いちいち語尾が強い俺様な清水尋也くん。
いちいち優しくて腫れ物に触るような間宮祥太朗くん。(板垣くんの演技は初見)
ありがちなキャラも、彼らが演じることによって主張強めにオリジナル感が出るのが堪らなく良かった。


そして、音楽、画面の切り替わり、フィルターのかけ方やセリフの繋ぎ方。
初めて観る形でした。
一つのシーンなのに、色合いの違う2画面を並べて写したり、別の角度からの2画面を写したり。
目まぐるしく切り替わる画面も、気分悪くなったりしなくて、凄く惹かれた。
音楽もカノンやエリーゼのために(?)を色んなパターンで流したりそんな雰囲気の変わり方も綺麗だった。
そして、セリフの間をカットしてどんどん重ねるようにして言わせるのも面白かった。


なんかあんまりメイクとかしてないのかなって思ったんだけど、どうなんだろう、。素材をそのまま、人間のまま使ってる感じ。
肌の質感とかが無駄に綺麗すぎないから、ありえないよなぁ、という内容のものなのにリアリティが凄かった。




共感はわたしにはほとんどできなかったけど、良かった。映画として、スクリーンで観れて。
多分、10代の恋は永遠のものじゃないだろうから誰と付き合ってもそのうち別れて、また新しい恋をするんじゃないかなって思ってる。
ただ、「誰のもの」とかそんなはっきりしない概念に悩んだり、「性」もなんでも知りゃいいってもんじゃない。
そのはずなのに、「恨み」とか「好き」とか、感情のままに動くと自分でもよく分からなくなって暴走したりする。
10代のパワーって多分もの凄くて、感情だってまともじゃない。抑えきれなくて、簡単に感情の箍が外れる。
でも、そうやって箍を外すのもまた、10代のうちにしかできないことなんだろうなって、眩しかった。
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