カイジ本編未鑑賞。
最初はリメークと主演が中国の若手イケメン俳優だったので、駄作と決めつけていたが(ファンの金を目当ての映画になりかねないから)。ですが、私は見て今作のクオーリティに驚きました。
中国の商業映画のCGは、めっちゃ金をかけてるが、CGのためのCGが多かった気がします。しかし「動物世界」では、監督がうまく使いこなした感じがしました。
中国の観客向けの作品であるため、政府の検閲をパスする必要があったにもかかわらず、面白さを維持できたのがすごいと思いました。
鮮やかな色使いやテクニカルなカメラワーク、そして丁度いいテンポ感がうまく緊張感を表現している。
ピエロという幻想を利用して、現実に押し潰された中国の小鎮(まだ経済が発達していない街)青年の野望を具現化。それを現実と対比して、主人公の虚無感を表現している。
今作の中で一番よく中国化された部分は、主人公の設定。昔は優等生だったが、今じゃ、親友に騙され、唯一の財産であった家を失い、母の入院費用も払えず、幼馴染に借金して暮らすヒモ。そこで、大金が手に入って、自分の過去も知ることができるチャンスが目の前にあったら、試さない理由がない。これは中国国内の現状に沿って、主人公が船に乗る決意をした理由をうまく説明している。
勿論、辻褄が合わない部分はあるが、多言語の人と会話するため通訳機など、努力は認めるべき。
