まくないと

ザ スナッチ シィーフのまくないとのレビュー・感想・評価

ザ スナッチ シィーフ(2018年製作の映画)
3.3
老女からバイクでひったくりをした男が、大怪我をさせたことを気にし、病院へ様子を伺いに行く。
怪我の為に短期記憶を喪失していたことで、「下宿人」として世話をしていく。

政情不安なアルゼンチンの世相を背景に、犯罪を犯す者、それを赦す者、赦さない者といった三様の立ち位置からの関係性が描かれる。

根っから悪人では無い男と、実は少しの秘密を抱える老女。
こういった綾が巧みに流れに影響し、心情の変化を見せていく。

病院で外に出て、男のバイクを当てるという何気ない遊びをする。
老女は何故か言い当てる。
こういった、もしかしたら何か気付いてしまったのか、と匂わせる描写が幾つか挟まる。
細かな部分で惹きつけてくれる良い作品だった。

ところで、ウルグアイの傑作「ウィスキー」のミレージャ・パスクアルが共演。
デビュー作「ウィスキー」でのキャラは素なのでは、とも思えるような自然かつ秀逸な佇まいだったが、本作では若干女優っぽく演じていて、何だか複雑な気分に。