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アマンダと僕のフクのレビュー・感想・評価

アマンダと僕(2018年製作の映画)
4.0
"Elvis has left the building."=「エルビスはもうこの建物を出て帰りました」=もうだめ、終わり、ってこと。
母親から聴いたこの言葉がアマンダの心に何故か強く印象付けられていた、というのが興味深い。
ラスト、ウィンブルドンの試合を観ていたシーンでアマンダが涙をぽろぽろと流しながら、突然この言葉を発したのを観てハッとしてしまった。
彼女の心中にはもしかしたらこの言葉の意味するところが先行きの不安の象徴として常に存在していたのだろうかと。
本当はお母さんと叔父さんと3人で来る筈だったことが彼女の記憶を揺さぶり、0-40の選手に自分の未来への不安を重ね合わせていたのだろうかと。
そして挽回する件のテニスプレイヤー、大丈夫、大丈夫と励ます(今や父親代わりとなった)叔父さん。
とても良い終わり方だったと思う。

そして最後に、夫、子供二人を残して去ってしまった母親アリソン役にグレタ・スカッキの姿が!
ドゥシャン・マカヴェイエフやタヴィアーニ兄弟の作品で印象的だった彼女を思いがけず発見して、その元気そうな姿に嬉しくなってしまった。
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