Harutaco

ソン・ランの響きのHarutacoのレビュー・感想・評価

ソン・ランの響き(2018年製作の映画)
3.8
静かで単調な進行とカイルオンの音楽がわかりやすくドラマチックな様相が組み合わさって、独特な雰囲気をつくりだしている。それはユンの内面を映し出しているようでもあった。この濃密で、少しむせそうな、でも美しい空気感をつくり出せるの、すごいなと思った。

雷の兄貴ユン。彼の生き様は、苦しい過去から自分を守るための、無感情や暴力、なのだろうか。それをふとしたことでリンフンが解きほぐしていく。が、、まさかの結末。過去や家族に対する心情をうまく読み取れなかったので、また見たほうがいいかも。ベトナムの固有の社会状況と家族や孤立というような普遍的な問題、もう少し読み解きたい。
カイルオンの舞台の物語と映画のストーリー、何か重ね合わせられているのだろうと想像するけど勉強不足。歌、とてもよかった。

ファミコンのシーンとカイルオンの楽屋のシーンが好きだった。
父親の手紙を歌うシーンもすごくよかったけど、音色に聞き入ってしまって、大事な(?)歌詞が全然入ってこなかった。

あと、「ボーイ・ミーツ・ボーイ」という宣伝文句はちょっと違うんじゃないかと思う…。
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