ニジム

第三夫人と髪飾りのニジムのレビュー・感想・評価

第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)
4.2
山深い人里離れた土地へ、小舟で嫁入りする14歳の少女。相手は会ったこともない、ずっと年上の金持ちの男で、彼の第三夫人になるという。これは監督の曾祖母の体験を元にしたそう。
女たちはお互いが夫を介するとライバル同士でもあるが、同じ立場を共有する仲間でもあり、生活を共にする疑似家族でもある。『源氏物語』を始めとした多妻制の世界と同じように、家を継ぐ男子を産んで初めて一人前。深謀遠慮があちこちで生まれ、緊張を感じる場面も。
女性の自由のなさが前面に描かれるが、それは男性にも言えることであり、ある悲劇も起きる。
遠景だったので、誰なのかが一瞬分からず、誰であっても納得するような、そんな状態だった。
皆、あまり多くを語らず、観る側に預ける演出がとても多い。観終わってどのように感じるかは、その感じ方によって変わるだろう。
髪飾りは長い髪をまとめ飾るもので、それは女性性を象徴するものなのだろう。アピールするものであり、自らを縛るものにもなる。それは前時代的なものだが、今も脈々と続いているからこそ我々は感情移入するのであり、でも、それは破られるためにあるのでもあろう。
ニジム

ニジム