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運び屋のkaysakのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.5
生涯優良ドライバーのおじいちゃんが、その腕を買われて麻薬の運び屋をやる話。
とてもひ弱で今にも死にそうなクリント・イーストウッドの佇まいは、ダーティハリーの面影すらないけれど、その老獪かつ堂々とした物腰は、血気盛んなチンピラたちの心を捉えていく。
そして、失った家族の絆をも取り戻していく過程が丁寧に、そしてコミカルに描かれる。
決してコメディではないのに、ついつい笑っちゃうシーンがあったり、90の爺さんが若い娼婦2人の相手をするとこなんか、いかにもイーストウッドって感じ。
失敗ばかりの人生を歩んだ男が、最後の失敗によって本当に手に入れたかったものを手にする物語。
重苦しい題材をポップで軽やかに描き切ってるのは、さすがだよなぁ。
成功した人生とか、勝ち組とか負け組とか、そういうのもいい。
けど、善良に、真っ直ぐに生きるのが一番いい。
そんな勇気がもらえる映画。
日曜日の昼下がりに観るといい感じかも。
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