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蜜蜂と遠雷のyutoshimizuのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
4.8
Filmarks試写会にて。


世界が鳴っている。

雨の音、雷の音、潮風の音、一体どんな音色を奏でているのだろうか。

天才たちにしか見えない世界を覗いてみたくなった。

7年ぶりに表舞台に戻ってきた亜夜がどんな演奏をするのか、期待させてからのタイトルバック、オープニングから一気に引き込まれた。

天才たちが集うコンサート本選、ライバルたちを蹴落そう、なんて考える者は1人もいない。

それどころか、ライバル同士が助け合い、お互いに高め合う。
その相乗効果でコンサートのレベルは信じられないほど高次元な争いに発展していく。

ピアノが好き、その一心で人生をピアノだけに捧げてきた登場人物たちの尊さに心が揺さぶられた。

黒のドレスを着て、舞台に上がった亜夜の覚悟を決めた姿は、ブラックスワンで黒鳥となったナタリーポートマンと重なってみえた。

本当に素晴らしい作品です。
この作品が売れて欲しい。多くの人に届いて欲しい。
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