テリー微糖

夏の鳥のテリー微糖のネタバレレビュー・内容・結末

夏の鳥(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

大麻によって
コロンビアの先住民族に
崩壊の危機をもたらした
実在の事件をベースにした物語

映画の印象を分かりやすく言うと
「アウトレイジ」シリーズや
東映任侠映画やギャング映画に似た
作品だと感じました

映画内に登場する「ワユー」という
先住民族の組織構造は
まさに日本でいうところの
「●●会系△△組」的な
組織図に似てるし

何か粗相をすると
「指詰め」的な
それ相応の制裁を食らうあたりも
そっくりな印象です

今作では、先住民族である
「ワユー族」の内部抗争が
描かれていきます

ワユー族の系列の一家で
現地で栽培されている大麻を
アメリカの密売人と取引することを
生業として

「密売の段取りを組む」
「A(仮名)」一家と
「密売を実際に行う」
「B(仮名)」一家が

お互いに協力して
大金を荒稼ぎするなかで
次第に大麻の毒牙に
侵され、犯され、
互いに諍い合い、
ジワジワと腐敗していき
最後に
呆気なく崩壊していく様は

さながらドラックジャンキーが
死にゆく様を
精神の崩壊の始まりから
余すことなく
目の前で見せられている
気分に誘って逃がしてくれない

そんな映画です

呪術信仰みたいな
先住民族ならではの
独特の伝統的な慣習などは
ちょっと飲み込みにくいなと
思うところはあるし

とっつきにくさを
感じるところがないとは
言いにくい作品ではありますが

「バリー・シール」や
「ボーダー・ライン」で描かれる
対外的な麻薬戦争の背景で

大麻の産地・コロンビア国内でも
こんな大惨事が起こっていたんだと
知ることが出来るだけでも
価値のある作品だと思います!

ヤクザ映画が好きな人には
おススメの一作です!
テリー微糖

テリー微糖