MotokiA

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のMotokiAのレビュー・感想・評価

4.0
■ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 2022/08/08

コロナ自宅療養中に過去作をひと通り復習し回復、準備万端、プレミアムシートでゆったり鑑賞してきました。

恐竜たっぷり、アクションたっぷり、夏休みにぴったりのエンタメ映画だった。

恐竜のCG表現のクオリティは上がり切っている感がある。いちCGアニメーターとしては恐竜一度とか一度は動かしてみたいなぁ…などともぼんやり思った。

第一作のメインキャストの登場は何だかんだで胸アツだった。
3人とも素敵な歳の重ね方をしていてカッコよかった。
そしてワールド&パークのメインキャラクターのオールスター集結も謎の高揚感があった。恐竜映画だけどこれだけ歴史を重ねて(初代から29年…)人物がちゃんとキャラ立ちしているからかな。

ストーリーや展開は期待通り。もはや茶の湯的な様式美と化してきているといっても良いかもしれない。良い意味で。
人間が自然を管理しようとする→自然からの反逆にあう→管理システム崩壊→恐竜大暴れ(俊足恐竜とかと適宜カーチェイス)→悪い奴恐竜のおやつになる→でっかい恐竜暴れてる隙にいい感じにおさめる…→でも今後もなんか起こりそうな雰囲気は残す
分かってるけどそれで良い、それが観たい。

なんとかラプトルにオーウェンやクレアが街中で追い回されるとこは、まともな人間だったら骨50本くらい折れてそうなスタントも、フルスロットルで街中かっ飛ばしてるのに人間はちゃんと轢かないカーアクションも、とことんめちゃくちゃしてくれるのでだいぶ笑った。

逃げる車の荷台にはだれか乗らなきゃならないし、バンなら後部扉は開かなければいけない。追いかけるやつは横から追突されるし、出発直前の飛行機だろうが船だろうがドンピシャで乗り込める!This is Hollywoodな感じで良かったです。

ギガノトサウルスについて。映画館出た後に、たぶん同じ回観てたであろう兄ちゃんたちが「あいつそんな悪いことしてなかったのに殺されてかわいそう」って言ってたのがひたすら「確かに」すぎた。かわいそうだった。
Tレックスも初代のひたすら恐怖の存在から悪役ボスキラーとなり、レックスもラプトルも30年経って丸くなったなと…

期待してたオマージュのショットは前作、前々作と結局だいたい一緒だったけど、まあそれだけ印象的なショットをつくった初代が凄い。Tレックスが丸いオブジェのとこでロゴっぽく見せるショットとかも遊びがあって良い。やはり第一作の偉大さ。
あとグラント博士は帽子結局なくしちゃったのかな…

ちょっとふざけ気味の感想になってしまったけど、前作・前々作でインフレさせてた遺伝子操作ネタ、軍事利用ネタは今回どうするのかなと観てたけど、しっかりしたテーマ設定になっていたと思う。
現実世界の地球規模の環境問題や遺伝子組み換え生物の未知なる影響とそれを果たしてコントロールできるのかという問題提起。
いよいよ人類の存亡の話がフィクションじゃなくなりつつある現実に対して、最後はある意味フィクションだからできる楽観的な共存の青写真を見せてくれたのが良かった。
現存する生き物たちと恐竜が生きるシーン素敵でした。

いい感じでまとめようとしたものの、茶の湯的、スーパー戦隊的、水戸黄門的な、それがいい、それでいい、そういうのが観たいにちゃんと答えてくれる感じは好きでした。
定期的に恐竜がわんさか出てくるパニック映画が観たいの。
これで終わりと言わず、また3,4年後に恐竜大暴れ映画が観たいです。
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