Cat

ウエスト・サイド・ストーリーのCatのレビュー・感想・評価

5.0
Oh, my Spielberg…

映画の神、エンタメの神がおりました…

61年版の衝撃と熱量、芸術的な色彩と画は一度観たら忘れられないくらい素晴らしくて、その上でスピルバーグ監督がミュージカル!? しかもこの作品のリメイク!? 絶対観る!!で公開当日に行ったわけですが…

何が神かって、61年版を愛して大事に踏襲しつつ、スピルバーグ監督ならではのエッセンスもちゃーんと詰め込み、その過程でより観客にシーンの感情・熱が伝わりやすい技法を取ってリメイクされているのが……もう、人間はどうやったらそんな技を身に付けられるのかって考え出すと思わず「神じゃ…神がおる…」ってスクリーン見上げながら泣かずにはいられませんでした。。。笑

特に印象に残っているシーン
ミュージカルなので歌とダンスシーンは言わずもがななのですが、
終盤の、女性が窓越しにアップになるシーン、
あそこは当人の表情を映さず、同じ心境になっている女性の表情でシーンの心境を代弁させているのだな…とか。

ミュージカル大好きな自分ですが、いきなりミュージカル演出が始まるとやっぱり頭に引っかかるもので。
テンション上がって歌い出して後ろにライトまで点き始めてしまい「あははなぜ?笑」と思っていたら、そのすぐ後に掃除のおじちゃん来て彼がライト点けたことがわかる、みたいなクスッとポイントとかスピルバーグ監督っぽいなと嬉しくなったり。

よくあるのが歌いながら通り過ぎる主人公に我関せずの人々というシーンだけど(もしくはがっつり曲や主人公に関心を持ったり加わったり)、「おや?なんか歌って浮かれてるなあ?」と目で追っているシーンがあったりして、そんな微妙なニュアンスが温かく心に入ってきたりして。

逆にあえて劇的なシーンは舞台を意識した立ち位置・構図に持っていったり。

や〜、いつも思うけどスピルバーグ監督の映画はスリルとエンターテイメント、そしてどこか優しさが詰まっていて、幸せな映画体験を提供してくれるなぁって。。。
幸せな時間だった。


 
※個人的な涙腺崩壊ポイントの1
トニーが歌いながら路地に入り、水たまりに足を踏み入れ顔を上げて歌うシーン。
斜め上からのカットで水たまりには幾重にも波紋が広がり、そこにライトが乱反射する…
もう美しすぎて。。。泣
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