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ウエスト・サイド・ストーリーのEのレビュー・感想・評価

4.4
待ちに待った(上映延期にもなってたし)スピルバーグのWSS!
オリジナル版が好きすぎて受け入れられるか不安だったけど、そんな心配はしないでよいほどオリジナル版へのリスペクトが込められてた作品だった。そして"スピルバーグが作る意味"があったと思った。

以下ネタバレ











オリジナル版との対比がどうしても多くなってしまいますが…

何と言ってもスピルバーグ版は、ストーリーラインが分かりやすかった!言ってしまえばオリジナル版の最大の欠点でもある話のブツ切れ感、不自然感…(が私はかなり気になる)そこがかなり解消されていた。私にとってWSSというものはレナードバーンスタインの音楽とダンスを楽しむ映画/ミュージカルでしたが、スピルバーグ版は心理描写がわかりやすかった分、物語に入り込んでしっかり泣けました。
舞台版とオリジナル映画はCOOLとクラプキの曲の順番が違って、特にCOOLはリフが刺された後なのか戦いの前なのかでまた意味合いが違ってくるけど、スピルバーグ版はCOOLへの入り方がその前のセリフ含め自然でとてもよかった。あと、チノを良い扱い(笑)にしてくれたおかげで最後のシーンをより感情入れて観られたと思う。
オリジナル版ではマリアのデート相手に兄ちゃんが認めたお気に入りの舎弟ってだけで個性も何もあったようなもんじゃなかった。最後いきなりしゃしゃってきたなぁ。としか思っていなかったので…笑

アニタがドクのお店にマリアに頼まれて行くシーンは毎回本当に本当に心が痛む。
スピルバーグ版で良かったのは、グラジェラとヴェルマが乱暴にするジェッツたちからアニタを助けようとするところ。たとえ敵だとしても、同じ女性としてジェッツたちの行為が許せなかったんだろうな。
舞台版、オリジナル版ではあのシーンで二人はそこに居ない設定だったのにスピルバーグ版は入れてきたあたり…そしてあの行動は全女性が共感できるシーンかと。

そしてこの時代の技術があるからこそ創れる世界観、大規模かつリアルなセット。
まぁ、予算もあるだろうし…そこは期待通りで良かった。

そして忘れてはいけない…リタモレノの存在!!!!!ありがたやーありがたやー!
あなたのアニタは最高でした。本当に素晴らしいです。元気に生きていてくれてありがとうございます。バレンティーナ素敵でした…。somewhereめちゃくちゃ泣けた。ドクの未亡人とか…設定考えた人天才。

小ネタで言えば、二人のデート場、クロイスターズはわたしのNYでのお気に入りスポットなので、出てきた瞬間に嬉しくなった。笑 また行きたいなぁ…。


ダンスはもちろん躍動感があり素晴らしかったけど、ナルド役のジョージチャキリスのダンス大好き・リフのアクロバット大好き・オリジナルの振り付けが大好きなので…そこは勝てず。この人のダンス好き!って思える人はおらず。でも、それでいい。オリジナル版の強みはそこなので、そこ勝たれたら悲しい笑


最後に。
エンドクレジットのfor Dadは、グッときた。スピルバーグが若い頃にお父さんと観たんだろうな。お父さんもWSSが好きだったんだろうな…と。スピルバーグもWSSが好きだからこそオリジナル版を踏襲した作りになっているんだろうなと思った。
オリジナル版を愛するオタクが多そうな作品ってリメイクするの大変だろうけど、スピルバーグだからこそできたんだろうな。スピルバーグさん、ありがとうございました。オタクは十分満足しました。
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