だらんごろん

きみと、波にのれたらのだらんごろんのネタバレレビュー・内容・結末

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

喪失を乗り越えて今を生きようと決意したところで、あるはずだった未来を想う愛が、繋がりはなくならないけどもういないという現実を呪いのように突きつけてくるのが、前半の多幸感溢れるイチャイチャ描写も相まってなかなか堪える。映像面でcrybabyやルーのうた程の爆発力はないが、日常の所作を緻密に描写することが瞬間の尊さ/残酷さを切り出しており、極端にデフォルメされた描画は控えめながらも、ビターな味わいの本作にはマッチしていた。また、現実を癒す虚構の生む孤独や喪失と共に生きる姿など、同じくポスト3.11の水アニメである『さらざんまい』に近い部分も多々あり、幾原邦彦と湯浅政明は毎回テーマ的に共鳴しているよなと改めて思った。