アベ二ティKazumaAbe

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

4.9
主人公が抱える空虚さと愚かさを伝える本作は、そのまま多くの人が苦しむ風景を写しているようだった。家父長制から来る搾取構造、人を人と思わない人間が跋扈する姿に戦慄しつつ、黒い箱の中で3時間の煉獄を過ごす。

ただ、同じ話が繰り返し為されるところはちょっとなんだかな〜と思ったりした。画の美しさとインパクトはすさまじく、出口の無い地獄で哀しく笑うリリー・ブラッドストーン、抜けた笑顔を見せるディカプリオの相貌が忘れられない。