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108~海馬五郎の復讐と冒険~のtheatrejinanboのレビュー・感想・評価

3.3
松尾スズキがいくら「大人計画」を主宰していても、知名度的には宮藤官九郎や阿部サダヲなんか(星野源はどうなんだっけな?)には遠く及ばないのが現状か。とはいえ、その独特の感性にハマる人も多いだろうし、一定の支持を得ているのも確か。

特にファンというわけでもない自分としては、むしろ中山美穂の汚れ役の方に興味があって観たわけだけど、確かにこれはなかなか“クセが強い”作品だなと。もはや自身の作家性を前面に押し出すことがメインで、本作をヒットさせることなんてまったく考えていないに違いない(笑)デヴィッド・リンチの「イレイザーヘッド」を彷彿させるシーンには笑ってしまったけど、残念ながら全体的にはそこまで引きつけるものは無かった。

「妻の浮気の復讐として、108人の女を抱く」というプロットはそれなりに面白そうなのに、途中からちょっとダレてくるし、さすがに尺が長すぎるのでは。もっと簡潔にまとめて、半分くらいの時間で丁度いいような。でもま、ファンからすればこれが“松尾スズキ”なんだろうし、彼が作る作品なら文句は言うまいということかな。★3.3