Ryo爺

キングスマン:ファースト・エージェントのRyo爺のレビュー・感想・評価

3.9
マシュー・ヴォーン監督のキングスマン3作目です。
スーツをバシッと着こなした英国紳士がスタイリッシュかつ激しいアクションをこなすのが魅力のキングスマンシリーズですが、今作でもそれは健在でした。

ストーリーはレイフ・ファインズ演じるオックスフォード公を中心とする少数精鋭の仲間達が世界大戦を起こそうと裏で暗躍する狂信的組織の陰謀を阻止しようとする比較的分かりやすいものですが、軸にはオックスフォード公と息子のコンラッド(演者:ハリス・ディキンソン)の親子の物語があります。

今作はキャラクターがとっても強烈。特に最高だったのはジェマ・アータートン演じる家庭教師のポリー。キングスマンの雛型とでも言うべき仲間達のサポート役という立場でありながら「やれやれ、男は頼りにならないわね。」と呟きながらお茶入れから暗号解読、ライフルによる後方支援とスーパーな活躍を魅せ、場をきっちり締めてくれます。それもあくまで飄々と。劇中で最も観てて気持ちよく、おいしい立ち位置のキャラでした。

そして敵役の中で特に良い味を出すキャラが怪僧ラスプーチン。リス・エヴァンスがこの怪しさ全開のキャラクターをまさに怪演してくれています。オックスフォード公がラスプーチンに向け、「キミは僧侶かバレーダンサーか」の挑発からのまさに序盤の見せ場、ラスプーチンの回転し踊るような殺陣はこの作品の白眉と言える上がるシーンです。

そして中盤。父親の反対を押しきって軍隊に入隊し、前線の現実を目の当たりにするコンラッド。そこからの展開は迂闊にもキングスマンで泣かされるのか思ったほど、胸に迫るものがありました。

さらにラストの因果応報という文字が頭に浮かぶシーンは心のなかでビックリすると同時に「いいぞ❗よくやった‼️」と叫ぶほどのカタルシスを味わえました。

今年も残りわずか。その年末を飾るにふさわしく笑って、泣いてぶち上がる映画を探すあなたにオススメしたい1本です。

P.S.これ歴史的背景を分かって観るともっと楽しめるだろうなぁ。
世界史しっかり勉強しとくんだった、、。
Ryo爺

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