まくないと

夜の珍客のまくないとのネタバレレビュー・内容・結末

夜の珍客(2015年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

原作を知らないとさっぱり分からないだろう。

本来は階級社会で女性の地位が低い時代の話で、
富裕層の家族によって自殺を選ぶに至った哀れな女の為に、
宗教的な存在が傲慢な一家にその罪を突き付けるべく起こした行動を見ていくもの。

突き付けると言っても、そのまま言うのでは無く、切っ掛けを与え、本人に気付かせることで、「告白」を促し自覚させる。

そして一旦、”警部”や自殺者は実在しないと気付かせ、罪は犯していないと安心させてから、最後に決定打で突き落とす。
落としてから上げ、更に落とす。
この辺りに”宗教的な存在”の怒りの大きさが分かる。

神を信じる弱者の為に、その存在が罪人に罰を与えるという宗教的な話なのに、その根幹を除いて軽いコメディにしたことで、よく分からない作品にしてしまった訳だ。

傑作もただ上っ面を撫でるだけでは、そのおこぼれにすら預かれない。