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ディープ・ブルーのZnGaGeのレビュー・感想・評価

ディープ・ブルー(1999年製作の映画)
3.4
絶滅危惧種としてレッドリストに登録されている「面白い」サメ映画。舞台を海上研究所に移すことで「ジョーズ」との差別化に成功し名作としてサメ映画の歴史に名を刻んだ

本作の魅力は「舞台設定の妙」に尽きるだろう
水の中に入った、水辺に近づいた人間が順番に食べられていくだけのワンパターンな展開になりがちなサメ映画に「海上研究所」という舞台を充てた功績は凄まじい
捕食のされ方にバリエーションを与えたことにとどまらず、ある種の災害映画のように水中の恐怖を描くことにも成功しておりサメが登場していないシーンであっても常に緊張感が保たれている


この映画からは後に花開く(Z級)サメ映画たちの息吹を感じる場面が多々見受けられ、さながらサメ映画の家系図でも眺めているかのような気分であった
陸上の人間に飛びかかり、お互いにコンタクトを取り、人間を欺く…「人間の身勝手な願い」を免罪符にして、こちらも身勝手に進化したこの超生物こそが「サメ映画のサメ」であり、そのDNAが現在の「ジュラシック・シャーク」やらに引き継がれていると考えると万感の思いである


余談になりますが、このレビューを書いている最中にサメ映画のサメがアクロバティックに人を殺していく理由がワンパターンになりがちだから、だということに気がついてしまいました…
物語にインパクトを与えるという必要のもとぶっ飛んだ設定の数々が生まれてきた事実は、個人的にはサメ映画の纏う神秘のベールを一枚剥いでしまったようで少しショックです…
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