GOODNIGHT

機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのGOODNIGHTのレビュー・感想・評価

3.6
 リサイタル上映で、おそらく10年以上前に映画館でみた。その後、定期的に視聴している。
 難解な映画で、見た人の数だけ解釈がありそうは作品だ。まだアニメ映画はこのようにわかりやすい、解釈が一遍通りのアニメが少なかった頃の映画だ。
 シャアもアムロも2人とも何処かへ消えてしまうラストは逆に無限の可能性だと思った。初めてみた時は、ハッピーでもなくバッドでもないラストだとただそう思った。
 いろんな解釈が、ネットには転がっている。シャアは人類に絶望して彼処まで、巨大なテロを起こそうとした。それがすごいと思った。反面、地球でなくても生活できるようになった人類は地球に対する畏怖は無くなってしまうのだろうと感じた。
 コロニー内の環境は、人間の自由自在で天気さえ操ることができる。そのような技術を持てば、もはや自然災害が予告なしに発生する地球に住むということは、逆に特権になるとはなるほどである。
 後のユニコーンだとかそのあたりは、とりあえず考えずに、作品を見るべきだ。
 サイコフレームが共鳴して、地球を救おうとしたのは個人のニュータイプ能力が高かったからと言うのは、物語としてかなり下等だと思う。
 逆シャアでは、クェス、チェーンが儚く散り、チェーンがたまたまサイコフレームを身につけていたからこそあの奇跡がおこったと解釈したい。
 全てがパズルのピースのように連鎖してアムロの恋人がハサウェイの恋人を殺し、その怒りがチェーンを殺す。こんなことがなければ地球は救われないというのが、ガンダムらしかったのかなと思う。
 ガンダムは、世界の大きなうねりに対して無力な兵士の姿を描いてきた。
 疑問なのは、アムロがあの状況で冷静すぎるところだ。アクシズとともに燃え尽きる前にあの余裕な感じは脱出手段があったのではないだろうか。死に対して恐怖感がなさすぎると思う。あの感じは帰還できると確信があったのだろうと思う。
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