やっぱりカルカン

Fukushima 50のやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
3.6
当時なぜ福島第一原子力発電所事故が起こったのかと、発電所の様子が気になって毎日ニュースを見たりインターネットでイチエフについて調べたりしていた。
一部誇張されている表現や脚色はあるものの、この映画はほとんど実際に起こった出来事をありのまま時系列に沿って描いている。全てを信用するのはよくないと思うが、現場の作業員たちはこういう事をやっていたんだな、ぐらいには参考になる映画だと思う。(再現VTRみたいなもんだと思って見るのがオススメ)

なお地震発生から原子炉格納容器内の圧力が下がり爆発の心配がなくなった所までを描いている。一区切りついて「勝った…!俺たちは精一杯やり切ったぜ…」(ハッピーエンド)みたいな終わり方をしているが実際の状況は「俺たちの戦いはまだまだこれからだ!!」なので、この先の事についても最後に説明して欲しかった。

原作は2012年11月22日初版発行の門田隆将著『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』。地震が2011年3月11日なので、上梓のスピード感に感服する。恐らく記憶が薄れないうちに、とのことなのだろう。
タイトルの由来は地震の後、発電所に留まり奮闘した約50名の作業員たちを海外のメディアが「Fukushima50」と呼称したことから。

劇中に登場する電力会社の名前は東都電力に変えられている。なお、東京電力は製作において一切無関係であり協力などはしていない。略称はTTEPCとなっている。記録映画としても意味のあることだと思うので、東電は全面協力すればよかったのに。しがらみとか、やましい事でもあるに違いない。恐ろしい…闇が深い。