賞賛も批判も様々な意見あるが、個人的には観てよかった映画だった。
(コロナで延期になりそうだが)、2020年のオリンピックという日本全体が前を向いているタイミングでの3.11をテーマにした映画から何を感じ、どう生きていくのか。
福島原発の現場で対応にあたった50人を海外メディアはFukushima 50と呼んだ。震災後、彼らが現場でどのような活躍をしたかを主題にした映画だ。
この映画にはガツッとしたメッセージはない。少しエンタメチックに盛り上げる表現があるが、基本は現場で起きていたことを丁寧に描く。
福島の現場と東電本店との温度感の差、政府と東電の縦割りの関係で割りを食う現場。責任の所在を取ろうとしない組織。
家族にもう会えないと覚悟をして対応にあたる職員。そんな彼らを避難地域で待つ家族。
震災当時、自分は関西にいて正直対岸の火事にように思えた。もし、あの時福島原発でこの50人が対応しなかったら東日本は住めない場所になってて、8000万人の避難は余儀無くされていた。
そういったシミュレーションの映像がところどころ挟まれており、事故の深刻さを再確認できた。
3.11をジブン事に捉えられてなかった人にはショッキングながらも、良いことを知れる機会の映画かもしれない。
一方で、3.11の被災者、ずっと向き合ってきた人には映画として脚色された表現が気に入らないかもしれない。
色々な立場、意見が生まれる良い映画だとは思う。