助手

影裏の助手のネタバレレビュー・内容・結末

影裏(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

難しい…でも好き。
様々な解釈ができる作品だと思う。


想いを寄せる相手が急に姿を消して、ふとまた現れて、また消えて、もう帰ってこなくて。それでも探し続けて、その中で彼の“影”の部分に触れる。そうやって振り回されながらも、ずっと一途に想い続ける健気な主人公が良かった。

印象的だったのは、終盤で日浅の字を見て今野が泣くシーン。最初は彼が書いた字を見て、愛おしさが込み上げてきたのかと思えたが、筆跡という記録に残った面影に、日浅が確かに存在していたことを実感しているようにも解釈できた。


話の順序は前後するが、今野が副島に会いに行くシーンは演じている二人の空気作りが巧くて繰り返し何度も観てしまった。

ロビーでは嬉しそうに近況を語り合っていたのにエレベーターの中では無言になるリアルさ。部屋の前で今野が「気をつけて帰れよ」と言うまで何か起こるんじゃないかとドキドキした。きっと副島もそれを期待していたのではないかと思う。この関係性を決して多くない台詞で表現する二人の演技にとても惹き込まれた。今野が盛岡に来る前の副島との話も観たくなったなあ。


あと、私も副島さんとハグしたい。
中村倫也さん本当に美しかったです。

もう1回観よう。
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