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影裏のmulのネタバレレビュー・内容・結末

影裏(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

岩手の美しいロケーションと静かに流れていく映像の相性が良い。

好きな人を信じるか疑うかの狭間で揺れる今野を演じた剛さんの表現力。
慣れない土地で唯一心を許せる相手と過ごした日々が存在したのか、彼は生きているのかを追っていく後半の描写がかなり良かった。

クィア映画でもありつつ、どこか不穏な雰囲気もある映画。日浅は結局どんな人物なのか掴めないところも「影裏」の良さだなと。
確証の無かった相手の存在を騙されていたけど2人が過ごしていた事実が証明された瞬間の涙を流す今野の場面が切なかった。
今野さんがこれから先、幸せに暮らせているといいな〜と。

それにしても細身で猫背、どこか陰のある人物も演じられる綾野剛さんには毎回驚かされる。いかにも陽なキャラクターも、陰を感じるキャラクターも全てにおいて演じる綾野剛さんの威力にはひれ伏すしかない。
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