黒人街に住む白人だからグリルズをはめるなどゲットーの雰囲気を出し黒人らしく生きてるマイルズ、ドレッドで図体がデカいが銃に怯える元犯罪者のコリン、パッと見の容姿では分からないブラインドスポッティング(盲点)があって、そこに社会問題が複雑に絡んでくるストーリーで非常に考えさせられる。
この幼馴染の2人による陽気でコミカルな掛け合いでテンポよくストーリーが進んでいくし、さらにセリフにラップも取り入れて聞いていて楽しかった。
この作品の中にオークランドの社会問題が詰め込まれてるが、コメディタッチで進んでいくストーリーだからこそシリアスなシーンの緊張感が半端ない。
2人のギャングっぽい見た目の様な勢いがあって荒削り感があるカット割りが良い。また緊張感のある演出が特に良かった。保護観察期間3日というタイムリミットで始まり、青信号がなかなか切り替わらない長回しの演出。白人警官が黒人を射殺する所を目撃してしまった事でコリンが悪夢を繰り返し見てしまう演出。(黒人の昔からある警官や銃にまつわる差別の問題がよりリアルに伝わった)
日本に住んでると銃の怖さをリアルに想像できないが、子供が銃を手に取ってしまうシーンがかなりリアルで改めて銃社会の怖さに気付かされた。
この映画のクライマックスでは、黒人を銃で殺してしまった警官と対峙したコリンが高速フロウで問い詰めるシーンは圧巻で「ラップにしないと届かないのか?」ていう名言が最高だった。