ブラインドスポッティングのdededonのネタバレレビュー・内容・結末

序盤不安だったけど後半から怒涛の展開だった
中盤の主人公二人の言い合いのシーンは白人、黒人双方の視点、立場、考えをダイナミックなカメラワークを用いて劇的に表現していて圧巻だった。
最後のラップのシーンに至るまでの主人公の葛藤や変化を、警察に止められるのを恐れるシーンやランニング中に死者の幻想が見えるシーンを通して描いていく様は非常に効果的で、有色人種の割合の高いオークランドでさえも黒人が生きていく上での非常な現実を的確に伝えていた。
あんなに小さい子供に "Don't shoot!" と言うように躾なきゃいけない社会って悲しすぎる。

あと差別用語としての強い側面を持つNワードが仲間内でカジュアルに使われる黒人たちの結束を示し、黒人コミュニティに所属しながらも決してNワードを口にできない白人側に疎外感を与えているという面を知って、なるほどそんなこともあるのかと感じた。

とにかくいろいろな側面で二項対立を用いていてパッと思いつくだけでも、白人&黒人、地元住民&よそ者、男&女、リベラル&保守…etc
これらの二項対立が割とわかりやすく作品のトリガーになっていて最後マイルズが青汁飲むくだりとかなかなか示唆的なのかもしれないなって思ったりもした。