rocksteady

ドキュメンタリー映画 岡本太郎の沖縄のrocksteadyのレビュー・感想・評価

3.0
岡本氏は故人であるから、その真意は知り得ない。
写真1カットも、綴った手記の一文も、一言も。

淡々と進む語りは、見る側の感度や集中力、想像力次第で入り込めるかどうか。
賛否は分かれる作品に思う。
編集が好みではなかったのかは分からないが、個人的にはのめり込むに至らず。
図録と音楽をしっかりと目に焼き付けてから鑑賞すべきだったかなぁ。

一回観るだけの作品ではない。
話題作として担ぎ上げる作品でもない。
全国的に、定期的に投げかけ続けるべき作品、テーマ。
今回、初見の私は最後まで傍観者だった。
それが観ていてとても苦しかった。

全国にある、あった、奇祭と呼ばれる風習は時を経て簡略化あるいは途絶えて行くのは現世の常ではあるが、イザイホーに関しては紡がれてきた内容や意義が抜きん出て特質的で、失うことの重みを当事者たちがどれだけ痛みとして受け止めなければならなかったのかを思うと胸が締め付けられる。
再開、復活を望む声は本土からもあるそうだが、歴史を歪めない、と途絶えた歴史を痛みとともに受け入れているそうで、そこがまた美しく映る。
78年の最後のイザイホーに迫ったドキュメンタリー作品もあるらしく、そちらにも興味が湧いた。
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