七星

人間失格 太宰治と3人の女たちの七星のレビュー・感想・評価

4.0
人間は恋と革命のために生まれてきた。

小栗旬さんのクズでどうしようもないけれど、どこか色気のある太宰治。
愛人に魅せる男らしさ、妻にしかみせない甘えた姿。恋と愛の違いが明瞭に映されていたように思います。

妻役の宮沢りえさん。家庭を支える強い女性像だけでなく、静かに泣く姿で奥ゆかしさを魅せつつも、太宰治の最高傑作を作るため、私たちを壊し
なさいと力強く言い放つシーン。愛人が綺麗に片付けた我家で子供たちとインクまみれになりながら笑い泣く姿。最後に記者が家に押しかけるシーンで戸を開けでてきた青い着物姿が清清しく、澄んだ笑顔で洗濯物を干す姿とても印象的でした。

沢尻エリカさんと二階堂ふみさん。
2人の愛人。
1人は欲しいと願ったもの(子供、作品)全てを手に入れた。
もう1人は、何も手に入れられなかったが、心中することができた人。

実際のところは分からないけれど、余命は残りわずかだったにも関わらず最後までやっぱり生きたいと思っていたことを映画に残してくれたのは敬愛してこそのもの。
人間失格と、斜陽読みます。
七星

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