カイハ

ジョジョ・ラビットのカイハのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
5.0
あ~~~よい映画を観た!
ありがとうフィルマークス試写会、ありがとう監督、ありがとう人生!こういう出会いがあるから映画って素敵!

ユダヤ人映画はいろいろ観てきましたが、ボーイミーツガールとしても、少年の成長譚としても、母子ものとしても観られて、ガッツリ戦争ものという重々しいテーマも、終始人生への祝福という温かい目線で彩っている。

戦争ものとしてはそれが甘ったれで無垢な主人公の少年・ジョジョの目線を通じて描かれるからこそ、改めて戦争の悲惨さや愛の不思議さ、孤独と喪失、自由に生き抜くことの尊さがえげつないくらい伝わってきて、「戦争とはいいつつコメディでしょ~?」と軽い気持ちで観に行った分、ガツンと不意打ちをくらってしまった。ごめん舐めてたよ監督。。。

無垢なこどもの心には何でもすぐに吸収されて、例えばそれがナチスの極端な思想であっても順応してしまう。この映画を通して出てくるイマジナリーフレンドであるアドルフくんなんて、ナチ洗脳の象徴みたいな存在。
けどまだまだ無垢な子どもだからこそ、復興も孤独も乗り越えてこれからの人生を生きていくんだろうな~と思えば、振り返ってみたら自分の人生への希望も持てる。

そして、ナチ頭のジョジョの姿に悩みながらも、愛情と思慮深い言葉で包み込んで育てる母親(ちょっとアル中?)が素敵でしょうがない!
母親になったらこんな子育てがしたいなぁ
カイハ

カイハ