センター分けのましゅちゃん

新聞記者のセンター分けのましゅちゃんのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
4.5
新聞記者
東京新聞記者・望月衣塑子のベストセラー「新聞記者」を原案に、
国家権力とメディアの裏と暗部を描きだす禁断の作品。
シムウンギョンと松坂桃李のW主演で
描く。
【story】
東都新聞の記者、吉岡エリカ。
彼女は同じく新聞記者であったが
ある誤報がきっかけで命を絶った
父の志や教えを継ぐ若き記者であった。
そんな彼女の元に、
ある日匿名で届いたのは
とある医療系大学新設計画に関する
極秘情報のリーク。
このリークの真相調査に乗り出した彼女は
この大学新設計画に神崎という官僚が
関与している可能性を突き止める。
一方そんな神崎の元部下であり
現内閣情報調査室の官僚、杉原は
現政権に不都合なニュースを改ざん、
コントロールする任務を遂行していた。
ある日神崎と久々に再会する杉原だったが、
その数日後、神崎は突如投身自殺。
内閣府が数日前から神崎をマークしていたが
自分は蚊帳の外にあったことから
徐々に政権の暗部に気づき、
現任務に疑問、葛藤を抱くようになる。
真実を追う吉岡と
政権の暗部に気づき始める杉原。
神崎の通夜で偶然出会った2人の運命が
交差し、
神崎の死の裏に隠された衝撃の事実と
権力、メディアの闇が姿をあらわす、、、。
【review】
この頃続いていた洋画の
ヒットラッシュに
邦画界の反撃の狼煙をあげる作品。
まさに問題作とは
この作品のことではなかろうか。
問題がある作品ではない。
鑑賞者に問題を提起する作品。
劇中何度も何度も感じる
観てはいけないものを
観てしまっている感覚。
触れてはならないタブー、
禁断の果実に
手を伸ばしてしまうような。
映し出されるのは
目を覆いたくなるほどの
権力が抱える闇、暗部。
あくまでフィクションであるため、
民主主義の実態とまでは言わずとも
民主主義が起こしうる一つの国の形。
それに左右され、身動きがとれず
次々と闇に飲まれてゆく
真実に忠誠を誓うものたち。
ここには正義も悪もなく、
ヒーローもヴィランもいない。
国民の目に疑いなく真実として
映ったものだけが正義となる。
たとえその真実が偽りだとしても。
いまのこの国にこの作品は
必ず必要とされる作品である事に
間違いはない。
打ち切り劇場が出ていることからも
明らかで
この作品を見られたくないものが
必ず存在する。
ただこの作品を通じて得た危機感は
必ず国を変える。
劇中、
対比されて映し出される吉岡と杉原の姿が印象に残る。
日の当たる明るいオフィスで
汗と手垢にまみれながらキーボードを打ち、真実を追う吉岡と
薄暗いブルーライトだけが反射する
調査室でキーボードを打ちながら
真実をもみ消す杉原。
そんな杉原も自宅に戻れば
身重の妻に笑いかけ、
お腹をなでる新婚の夫。
人並みの幸せを得ながら、
国を守るためと割り切って
真実を闇に葬り続ける杉原の葛藤に
心が痛んだ。
彼を天使に変えるのも
悪魔に変えるのも
この国に張り巡らされた権力の網と罠。
権力の前にはメディアも官僚も
虫けらのように扱われ、
正義も真実も自由に書き換えられる。
歴史は勝者の歴史。
権力的敗者に語る口はない。
所詮はフィクションと割り切ってしまえば
そこでおわるかもしれない、
むしろそこで終わらせるべきだったかも
しれない。
ただボクらはこれを映画として
観てしまった。知ってしまった。
観てしまったからには動かざるを得ない。
持つべきは危機感。
新聞を読むでも、ネットニュースを見るでもいい。
必要なのは、その中から真実を掴み取る手と導き出す目。
真実なんてものはいくらでも権力で
握りつぶされる。
権力者が顎を前に出すだけで
国の未来が変わってしまう。
真実を守るために、
真実の生贄となり犠牲になる人がいる。
動くのは今しかない。
この映画は人を動かすトリガーになる。
近いタイミングなら選挙に行く事。
選挙について考える事。
その一票が国を守る盾になる。
このタイミングに多くの人に
届くべき作品だと思いました。
打ち切りの劇場が出ている事からも
明らかです。
ぜひいますぐ劇場で。
【評価】
ストーリー☆☆☆☆
演出☆☆☆☆
映像・迫力☆☆☆
上映時間☆☆☆
BGM☆☆☆☆
総合☆☆☆☆/5
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