山田たかし

新聞記者の山田たかしのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
4.6
これはちょっとやばいぞ…。
すげぇもん見ちまった…。

物語は序盤から淡々と冷静に進んでいく。
苦手な人は多くいると思う。

これは本当に反政府映画と捉えられてもおかしくない作品だ。
真実があるから虚偽がある。
またその逆も然り。
正義があるからこそ悪、不正がある。
またその逆も然り。

今現在も様々なニュース、見出し、トピック、情報が存在しているがそれは本当に真実なのか…。
そんなことを考えてしまう、考えさせられる作品やった。

追い詰められた時、人は人でなくなる。
そう、まるで両目を潰された迷える子羊のように。


最後、杉原が選択したのは間違いなく今まで自分が貫いてきた正義とは違う道だろう。
それほどまでに大切なものを失うということはできないのだ。

「お前、子どもが産まれるんだってな。」
「前言撤回するのは恥ずべきことじゃないぞ。」
この映画でこれほどまでのパワーワードはないだろう。
それぞれ言われた時は違えど、杉原の道を迷わせ選択を迫られたことに違いはないだろう。