やっぱりカルカン

天気の子のやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.5
初見。ずっと新海誠監督作品を追いかけているが、自分にはもう純粋な若者のような心は無くなったんだな、と痛感させられた。

・次々と犯罪を犯しすぎ
・あらゆる行動が無謀すぎ
・主要人物が子供すぎ

大人の薄汚れた心ではハラハラするばかりで何も共感出来なかったし、過去作のキャラがカメオ出演してるのを見てほっこりしたぐらいで何回も観たいという気持ちにさえなれなかった。
もう少し若い時に観ていたら、もっと心が動いたような気がするのに…ひたすら自分の老いを感じた映画だった。

最近の新海監督の作品はほとんど自分の生活圏内が舞台になっているので、シーンごとに現実の世界とリンクして非常に不思議な感覚になる。
見終わった後もしばらくは現実で「ここは指輪を買いに来た所」「陽菜がバイトしてたマック」「ここは2人で歩いた道」「警察に声をかけられた所」「陽菜の母が入院してた病院」など色々思い出してしまうだろう。
毎日が聖地巡礼のようで、とても楽しい。命の恩人の事務所など実際その場所にない建物もあるが、個人的に今回の一番の見どころは街の風景。

追記:
新海監督は今という困難な世界情勢の中で生きる若者たちに何かエールになるようなものを贈りたくて『天気の子』を制作されたとの事だそうで…やっぱり。初老には刺さらないわけだ。

2022/11/6
再度追記:
地上波放送を視聴。レビューを書いたか書いてないか忘れてしまい確認したところ今日見て思った事とほぼ同じレビューが既に書いてあって安心。
この映画の公開は2019年7月。まだコロナなんか無かった時でまさかこんな異常事態になるとは誰も思ってなかった。3年以上降り続く雨をコロナに置き換えると、なんだかんだで今自分達も生きてるし「大丈夫」のオチには共感できた。
ただ、豪雨や水害による事故で必ず亡くなっている人がいるはずなので、帆高と陽菜のせいで命を失った人達に対してのくだりが一切描かれていないのはご都合主義の極みと言えるのではないか。