毛塚俊太

天気の子の毛塚俊太のレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.0
息苦しい地元の町から出たくて、親から離れたくて16歳で家出をして東京にやってきた帆高。しかし、東京では16歳という年齢では仕事も見つからず、ネットカフェ、マクドナルドで夜を過ごす日々。困ったはてに頼ったのは、家出の船の中で命を助けてもらった男だった。そこでオカルト記事を書くライターの助手として働くことになる。そんなある日、帆高はマクドナルドでビックマックをくれた女性店員さんが怖いお兄さんたちに連れて行かれるのを目撃する。帆高は、ビルに連れ込まれそうになる彼女をお兄さんたちから奪って逃げる。その女性は陽菜という自称18歳になる女の子、彼女は2人で逃げた代々木のビルの屋上で言う「ねぇ、今から晴れるよ」そう言うと、ずっと雨だった空に晴れ間が見える。

陽菜は祈るだけで天気を晴れにする力を持っていた。

この映画に関して言いたいことは、どれもこれもネタバレになってしまう。ストーリーはもちろんだけど、散りばめられたネタの数々、これだけ情報を詰め込まれたら、もう一度情報収集をしてからもう一度見に行かねば、という気持ちになる。そしてやはりRADWINPSのこれでもかと詰め込まれた音楽たち、これはやはり映画館のスクリーンと音響で見ねばならない。「君の名は」で増えた新海誠ファンたちは、映画館に何度も通うだろう。映画としてはもちろん素晴らしいと思うが、反面ビジネスライクな一面がかなり考えられた映画でもあると思う。各大手企業とのコラボPRが映画の中にも盛り込まれている。映画を純粋に作品と考える人達からは反感があるかもしれない。自分個人としても、ちょっとやり過ぎではないかと思う。もともと多くを語らない、日常を描くことによってそこにテーマを浮き彫りにする映画が多かった新海誠が好きだった。君の名はで得たものと失ったもの、それは今回の天気の子でも同じだった。ストーリーは君の名はよりは明快で、分かりやすいラブ・ストーリー。ストーリーにエンターテインメント性を持たせた前回よりは、今回のほうが今までの新海誠に通じるものはあったかと思う。セカイ系日常純愛ラブ・ストーリー。もう一度見たい。
毛塚俊太

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