【天気の子】
主人公が銃を撃ち、手錠を片腕にかけられて、東京の機能を停止させる。
人間的な、あまりに人間的な行動に対して、登場するキャラクターの希薄さ、社会のセーフネットの描写がされない物語展開が、再帰性のない社会を削り出している。
親も、学校も、友達も、恋人も、夫婦も現れない。カップ麺がご馳走で、ラブホテルが非日常。神の力はインターネットでビジネスになり、空の伝承を語る老人は、スマホを弄る孫にあてにならないと呆れられる。
最初から最後まで、自由を問い続けられた主人公が、最後に自分自身へ呟く「大丈夫」の一言。
シームレスに繋がり続ける社会でも続く、終わりなき日常。
表現を通じた、先にある社会へのアクセス。
ものすごく、共感しました。
#Filmarks