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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのブロコリのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

待望のドクター・ストレンジを観てきた感想としては、映画を観た方々の評価が高めなのに対して、個人的には思ってたよりはワクワクしなかったかなぁと思った。これは多分先にDisney+で「ワンダヴィジョン」を見たほうが楽しめる気がする。

演出面では、ホラーテイストな雰囲気とちょくちょく入る独特な編集、芸術的な表現が目に止まりサム・ライミ監督のこだわりを感じた。

内容に関しては、自分がマルチバースの設定とワンダの話を全然理解できていなかったということもあり、とりあえずドクター・ストレンジの世界観と雰囲気を楽しんで終わったという感じだった。

最後のドクター・ストレンジとウォンの会話がとても印象的で、ヒーローとしての役目を果たす代わりに大事な人との時間を失い、“世界を救うことだけが幸せじゃなかった”と言ったドクター・ストレンジに対して、“別の人生を考えたこともあるけど、今の人生に感謝している、苦しみを共にする仲間がいる”と返したウォンの台詞に感動した。

エンドゲーム後に全てを失ってしまったワンダが別の人生を望み、マルチバースに手を出す気持ちも十分分かる気がする(ワンダヴィジョンを視聴することでより深まりそうな気がする)。英雄はややもすると、人々や世界を救ったという輝かしい功績だけを注目されがちだけど、その背後にはいつも犠牲という対価を払っている。その厳しくも悲しい現実を受け入れて、それでも大衆を救うために己と己の大切な人たちを犠牲にして自らの人生を捧げていくその生き様を“感謝だ”と言ったウォンの台詞は、英雄とはなんたるものかをとてもよく表現しているように感じた。そしてそれはなにも英雄達だけの話ではなく、彼らよりも対価や犠牲にしている物は小規模だったとしても、自分たち一人一人の人生にも少なからず当てはまるものがあるように思う。人生は決して楽しく幸せな時ばかりではないかもしれないけれど、苦しみや悲しみを共に分かち、支え合える友がいるならば、その暗闇も少しは明るく感じる事ができるかもしれない。ウォンが言ったように、自分もそんな人達が側にいる人生に感謝していきたいと思わされた。

多分これ以外にももっと良いシーンはたくさんあったと思うけど、残念ながら一回では全然頭も感情も追いつけなかったので、もう一度復習してから見てみたいと思った。

全体の感想として、とりあえずドクター・ストレンジ(いや、もはやカンバーバッチ)は最高にかっこいいという大前提の下、あくまでも個人的な意見を書いておくと、MCUは最終的にはやはり初期メンが神だったと思った。いろんなヒーローたちが出てきてそれぞれ面白いけど、なんだかんだアイアンマンとキャプテンアメリカの二台ヒーローの存在がかなり大きかったように思う(ビジュ的にも)。彼らがいてはじめて他のヒーロー達の魅力も存分に発揮されていた気がする。今までのMCU作品は一応全部見てきたけど、自分の中で「ヒーローかっこいい!!」と英雄精神を感じ鳥肌が立ち体が熱くなるような感覚は、初期のメンバーの作品に多かったなぁと思う。そう言った意味では、エンドゲームやスパイダーマン3がかなり完成度が高くて良かったので、その辺りの作品たちと今作の出来栄えを比べると、今回のドクター・ストレンジは内容的な面でもう一歩だったかなぁと感じる部分があったように思う。(CGなど映像面でのクオリティーは今作もかなり高い!!!)

P.S
ワンダが闇落ちする前に誰かアベンジャーズの仲間などが助けてあげれなかったのかなぁと思うと心苦しいものがあった(ワンダヴィジョン見たらなんかわかるかもしれないけど)。とりあえずワンダをアベンジャーズに引き入れたホークアイは面倒見てあげて欲しかった。鷹の目さんは推しだけど一言言わせて欲しい「ホークアイ、仕事しろ」
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