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黒い司法 0%からの奇跡のFilmholicManのレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
4.2
182。
この数字が何を意味するのか、
少しの間この数字を覚えておいていただきたい。

『JUST MERCY』
本作は原題でこう名付けられている。

MERCYは慈悲、情け。
JUSTは様々な意味があるが、
法的に正しい、公正な、当然の、ずばり
等がある。

鑑賞してみたら原題の意味がよくわかった。

本作は2014年ブライアン・スティーブンソン著、黒い司法 死刑大国アメリカの冤罪
を実写映画化したものである。

黒人差別を題材にした作品は、近年でもグリーンブックやそれでも夜は明ける等素晴らしい作品が多いが、本作もそれらと並ぶ素晴らしい作品となっている。

冤罪に立ち向かう弁護士役を演じた主演はクリード(ロッキーシリーズ)やMARVELのブラックパンサーでもお馴染みのマイケル・B・ジョーダン。
冤罪で死刑宣告を受ける男を名優ジェイミー・フォックス、他にもブリー・ラーソン、ティム・ブレイク・ネルソン、ロブ・モーガンと主演級から名脇役まで豪華俳優陣がズラリと並ぶ。

監督はMARVELのシャン・チーが記憶に新しいデスティン・ダニエル・クレットン。



冒頭の182という数字。

これは、死刑宣告を受けたものの、冤罪が判明した人数である。

ナショナル・ジオグラフィック(2021年3月号)のフィリップ・モリス記者の記事によると、「アメリカにおいて、1973年以降、8700人以上の人が死刑を宣告された。そのうち、1500人以上が処刑された。死刑執行待ちの人のうち182人が、冤罪が判明し、社会復帰した。」ようである。

私には衝撃だった。

そんな当時は社会問題ですらなかった問題を顕在化させた一人が、マイケル・B・ジョーダン演じる原作者の弁護士ブライアン・スティーブンソンである。

主演の演技は勿論のこと、それ以上にジェイミー・フォックスが素晴らしかった。


Amazonプライム・ビデオの配信期限が迫っているが、今なら視聴可能だろう。

是非観ていただきたい。
そんな作品。
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