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バースデー・ワンダーランドのしのレビュー・感想・評価

4.2
【白昼夢の誕生日プレゼント】

後ろ向きでなかなか素直になれない女の子のファンタジー
冗長だとか原監督なのにガッカリだとか色々言われてるけど僕は大好きです

皇族の正統後継者が世界を色づかせる宿命を生まれながらに背負う、その是非から問う、という設定は、皇位が継承されたこのタイミングにあわせたテーマなんですかね
鬱屈しそうな世界を、己の意志で変えていく勇気にはこみ上げるものがある

「物語の主要人物」を穏やかに諭すシーン。
異世界に来るまで見たいものだけを見てきただけの同年代の主人公が、数々の出来事に恐る恐る手を伸ばしてみることで「気づけば」前のめりになっていた
某主要人物がそんな主人公にシンパシーを感じるには十分だと思った

・ジブリやMadMax的ディストピアのオマージュ、狙って挿入されてるミスマッチな雰囲気の音楽
・終盤、自転車を漕いでいく主人公が土手を眺めたときのシークエンス
・自由が暴走している杏おばさんと自由を手懐けている麻生久美子ママの対比

好きなところ挙げたらきりがないけど爽やかで軽快で総じて良かった
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