かーん

宮本から君へのかーんのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
4.7
「戦え!何を!?人生を!」
かつて筋肉少女帯がこんな曲を歌っていたな、と僕は本作を観終わった後ふと思い出し、久しぶりに筋少を聴いてみた。こういうときサブスクって便利だな。学生時代ぶりに聴いてみてやはり訳がわからなかったのだが、人生が戦いであることは間違いない、そう本作を観た余韻を何度も繰り返される「戦え何を人生を」というフレーズとともに噛み締めたのである。
ドラマ版があまりにも素晴らしかったのであるが、テレ東が映らない地域に住んでいるもので我が街では上映しないのであろうなあと悲しみに暮れていたところにようやく上映するという知らせを聞いて少し足を伸ばしてみた。初めていく街の映画館。するとそこは十代のとき初めてバンドを観たライブハウスと同じビルだった。知らなかった、こんなところに映画館があったなんて。
中に入るとこんな小さなスクリーンなのか...と少しガッカリはした(もし映画館の人見てたら申し訳ない)が、映画が始まるとスクリーンから溢れんばかりの宮本!宮本!靖子!靖子なのであった。もうずっと二人がうるさくてやばい。ずっと感情が爆発している!ドラマ版よりパワーアップしている!ユンボがライブハウスに突っ込んできた!もうそのぐらいの爆発力!近所迷惑にも程がある!笑
怒りで震える宮本、泣きじゃくる靖子、壮絶の連続で誰にも感情移入しづらいのに、どうしてこんなに心が動かされるんだろう!どうしてバカで不器用でどうしようもない宮本を応援してしまうんだろう、どうしてメンヘラでめんどくさそうな靖子をこんなにも抱きしめてしまいたくなるのだろう!わからないけど、そうせざるを得ないような感情になってしまうのである。リアルに近くに存在したらまじで関わりたくない。本当にドラマ版から宮本には感情移入あんまり出来ないのに、応援しちゃうんだろう。
わかっている。どこかで宮本みたいに生きられたらとか、宮本みたいに真っ直ぐでいられたらとか、そう多分羨ましいんだろうな宮本が。
期待していた何倍も池松壮亮と蒼井優が素晴らしかった。脇を固める俳優陣も皆素晴らしかった。瀧はやはり素晴らしい俳優だと思う。戻ってきて欲しい。俺は待っている。
真利子監督、どんどんやばい映画を撮り続けて欲しいな。次はどんなものを観せてくれるんだろう、本当に楽しみだな。
なんか結婚したくなってきたなぁー

追記 本作、池松君の前歯が無くて、「映画のために歯ァ抜いたんかワレ!?」とずっと気になってしまって割と気が気じゃなかったんだけど、よく出来たマウスピースだと知りマジで安心しました。
かーん

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