エビ蔵

仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーションのエビ蔵のレビュー・感想・評価

5.0
長いこと仮面ライダーファンを続けていると、「1号には改造人間としての悲哀があったのに最近のライダーは…」とか「クウガには大人でも楽しめるリアリティと重いテーマがあったのに、最近のライダーは…」とか、所謂「昔は良かった」の愚痴を聞くことがある。
正直言うと、自分もそう言う気持ちがないわけでもない。
ゼロワンも面白くて大好きだ、でもやっぱり、クウガや龍騎をテレビで見て目を輝かせていた頃の熱量は無くなってきている。
それは自分が歳を取ったのが一番大きな理由ではあるだろうが、あの頃の仮面ライダーにあった(自分にとっての)『良さ』がなくなった、というのもまぁ、あるのだろう。

今回の映画は、そういう人間に顔面パンチをぶち込んできた。
「うるせうるせうるせうるせうるせ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
もう昭和も平成も終わって俺たちの時代なんだよ!いつまでも口を出すんじゃねえーーーーーーーーーー!!!!!」のパンチだ👊

何年も続いているシリーズものだから、どうしても過去の作品と比べられてしまうけれども、(特に)平成仮面ライダーの魅力のひとつは、一年ごとに全く色を変えて作品を作り上げるところにあると思う。
要は、古いものには古いものの良さがあり、逆もまた然りなのだ。
『良さ』は失われた訳ではなく、変化しただけ。

一歩間違えればこのパンチは「古参のファンはもう見なくていいよ」と受け取られかねない危うさを孕んでいる。が、自分は「どんどん変わっていく仮面ライダーをずっと好きでいて欲しい」というメッセージを受け取った。
1号とも2号とも、スカイライダーともBLACKとも、クウガ ともWとも違う『良さ』を持つ、「仮面ライダーゼロワン」をこれからも見続けていこうと思う。

お前は何も受け継ぐ必要はない。
エビ蔵

エビ蔵