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たちあがる女のmino3sのネタバレレビュー・内容・結末

たちあがる女(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

アイスランドの広大な自然の中の小さな町で合唱講師をしている50歳前の独身女性が主人公。いっけん普通の生活を謳歌しているような見えるが、裏ではアルミニウム工場が環境破壊に繋がるとして工場の送電線に破壊工作を単身でしかける。
その様は工作員さながら。
かたや主人公は四年前に他国の孤児を養子にする申請をしていて博愛精神と女性の幸せも模索している。忘れた頃にその申請が通り養女が決まる。

環境テロリスト。一般には反社会的な見方でしか見られない行為。
恵まれない子を養子にして育てる思いも普通の人には出来ない行為。
ストーリーはユーモラスに展開してヒューマニズムにも溢れているのでなんだか面白い。
昔の日本映画や黒澤作品、またはフェリーニか?その時代の映画の味わいが香る。

主人公は破壊行為で窮地に追い込まれ、ヨガをしスピリチュアルな双子の姉妹に救われる事になるが、最後に養子を得る人間の
、女性の小さな幸せを得られはしたけど、やはりそこには気象変動の災難は立ちはだかっているのを見ると、現実の今を考えさせられる。

人個々の、目の前の小さな幸せ。生活。
目の前に立ちはだかっている異常気象問題。何を観て何を取るか。
自然で囲まれた生活をしてないと気づけない事実がある。

ちなみになぜアルミ工場が標的になったのか。。
私的見解では、まずアルミは人体に害があり、自然界にも人体にも吸収分解できない自然界にない人工物である事。
工場は大量生産大量消費の文明の象徴。企業の利益重視は自然排他的であり、送電線は日本でもそうだけど、電力供給源は都市部になく地方にあり、自然の中に開発建築される。電流の流れる配線は自然の景観も変えるが電波がその地の生態環境に影響を与えるから、だと思う。
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