負け組中年おじさんたちが、家族やご近所さんから馬鹿にされながらも、男子シンクロ世界大会に出場するというある意味"鉄板"な設定が、実話を元にしているというから驚き。期待通りめちゃめちゃ面白かった。おじさんが踊りまくるトレーニングシーンが最高です。
男子シンクロって、ある種「男らしさ」への固執を一回捨てて成り立ってるものだと思うので、プライドや体裁を捨てきれなかったり、競争社会に疲弊してるおじさん達にとってまさに「リセット」の役割を果たしたのかなあと思ったり。
マチューアマルリックが好きなので、踊るマチュー、泳ぐマチュー、潜るマチュー、そして顔をひきつらせるマチュー……全部最高に楽しんだ。
30～50代のおじさんたち、ほんとに水に入って演技して頑張ってたのがすごかった。
年寄りや身体障害者などなどに対するブラックすぎるジョークが盛りだくさんで、反応に困ったけど『最強のふたり』もフランスだっけ……こういう作風が一般的なのかなあ。
とにかく「負け犬たちのワンスアゲイン」が好きな人は気に入ると思います。9月に公開される『シンクロダンディーズ』も、同じ実話を元にしているので、見比べるのもいいかも。
しかしこれ、スウェーデンで実際にあった話を、フランスとイギリスがそれぞれ自分の国の話として映画にしてるの、すごいな……
