ナマラマナ

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜のナマラマナのレビュー・感想・評価

4.0
こういう視点からの人種差別をテーマにした映画を観たのは初めてでした。
黒人奴隷の話といえば、ほとんどが綿花農場とかでの重労働で働かせるとかばっかりだし。
でもこの話って60年代の話なんですよねぇ。
タイトルの「HELP」は助けて~っていう意味ではなく、白人の上流階級の家庭で働く黒人メイドのことなんです。
家事から育児まですべて! 白人主婦ってなーんにもしないのねぇ。子育てぐらい自分でしろよ!って思いましたね(苦笑)
主役の女性もそんな上流階級出身で、ヘルプさんに育てられたような女性。
たまたま家事のコラムを書くことになって、でも自分は家事ができなくて黒人メイドに教えてもらうんだけど、仲良くなっていけばなるだけ彼女たちの不遇さを目の当たりにし、レポートすることにしました。
でも、誰もが仕事を失いたくないから本音なんて言えるわけないし。
少しずつ心を開いて話し出す黒人メイドたち。
でもやられっぱなしじゃないんですよ、これが。見えないところで反撃もしていて笑えます。
意地悪役の白人女性がやられるところなんて小気味いいこと!
だいたい、人間を人間と思っていないところが理解できない。
でも意地悪な白人女性ばっかりじゃなかったところに、少しは安堵できました。
彼女が書いた本によって黒人メイドさんたちの地位向上もなされたようですし。
でも、考えてみると、私たちのいる現代でもあることですよねぇ。
汚い仕事は安い賃金で貧しい国から働きにきた人たちがしているのも現実。
ちょっと複雑な気持ちにもなりました。
重いテーマを軽くコメディ要素をとりいれ、でもずしんと心に訴えるものがある秀作だと思います。
ナマラマナ

ナマラマナ