七星

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーの七星のレビュー・感想・評価

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
4.6
心が苦しくなる。
けど、鑑賞したこと悔いなしです。
信じてた最愛の人の裏切りによって人生が180度狂ってしまったあげく、死刑執行されたのに死にきれなかった残酷な秀丸さん。
母の再婚相手で血の繋がってない男から強姦されたあげく、唯一の家族である母からすら見放されてしまい、穏やかに過ごせていたはずの施設でも気持ち悪い男の患者から殴られたあげく強姦され死ぬにも死にきれなかった由紀ちゃん。
家族から厄介者、狂ってると決めつけられ、施設送りにされた優しくて面倒見のいいチュウさん。
いろんな事情を抱えた人たちが集まったとき、そこには家族ではなくても、つながっている確かな温かい絆が見えて、平和という言葉が当てはまる情景が描かれていた。
けれど、それが音をたてて崩れるかのようにそれぞれがバラバラになっていくシーンはとても苦しく茫然という言葉があてはまる暗く悲しい情景もあり、同じ人間でもこのように孤独だったり、想像もできない程、きつく、苦しく、やるせない経験、体験をしている人たちが自分が思っているよりも世の中に沢山いるのだろうと思うと、どれだけ自分が恵まれていることか。凄く切ない気持ちになった。

小松菜奈さんの泣き叫ぶシーンが胸と耳と脳裏にに焼き付いてはなれません。
最後の法廷のシーンも泣きながら語るシーン苦しかった。
昭八ちゃん喋れずカメラを通し表情でコミュニケーションを取る難しい役だったと思われるんですけど、、とても素敵な人物でした。
七星

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