登場人物みんなそれぞれの苦悩が描かれていたが、個人的にはゆきちゃんの人生が悲惨すぎて辛かった。どれだけ平凡に幸せに生きたいと願っても、誰か一人のせいで人生がめちゃくちゃになる。誰か彼女を救ってあげてと心の底から願った。
病棟で過ごす仲間がお互いを思いやる姿に胸が熱くなった。
ここの病棟にいる人は誰しもが辛い思いをしてきたことを知っている。そしてそれは「もっと辛い経験をした人だっている」なんていう物差しでの価値観じゃなくて、「その人の痛みや苦悩や辛さはそれぞれがそれぞれの物差しによって感じるものだ」ということを知っている人の集まりだったと思う。
「誰かよりも辛い」「誰かよりはマシだ」という考え方はどれだけ的外れなのかを思い知った。
