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窮鼠はチーズの夢を見るのmnのレビュー・感想・評価

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)
2.5
映像やBGMがとても綺麗だったけれど、”人を好きになること”をこの映画を通して理解したくない程、疑問が多く残る作品だった。まず、関ジャニの大倉が演じる恭一が嫌なやつすぎる。「妻を大切にしたい」とか言いながら数々の不倫、誘われたら断れないだらしない性格、妻への亭主関白な態度、すべての嫌な要素が詰まったキャラクターだと、個人的に感じてしまった。
この作品が理解できない私はただの経験不足なのかもしれない、けれどこれが現代のリアルな恋愛を描いている作品なのだとすれば、私は恋愛をすることがただただ怖く感じる。くっついたり、誰かを想いながら他の人と関係を持ったり、相手を最低なやつだと思いながらも結局よりを戻したり。この流れ+タバコをエモいと思っている人たちはどのくらいいるのだろうか。
「好きならはっきり好きだと言え!」と思ってしまう私は、終始イライラしてしまった。
また、本性が怖すぎた女性たちも含め、本作で感情移入できたのは唯一成田凌が演じた今ヶ瀬だった。ワインを来年もプレゼントするから。と恭一に言われた時の表情がすごくキュンと来て、同時に切なくなった。仕草や表情、線の細さ、女の子よりも女の子らしかったと思う。成田凌の演技力、凄まじすぎる。

恭一への個人的な怒り(笑)が多くて長文になってしまったが、一種の雰囲気映画として楽しむことができた。この作品は深夜にひとりでナッツなどを食べながらしんみり観ることがおすすめ。
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