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フォードvsフェラーリのASKのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.2
今まで、カーレースに興味を持ったことがなく、ル・マンという名称は知っていたが、まさか24時間ぶっ通しでレースをするなんてビックリ!!そんな過酷なレース挑んだ男達の物語だ。

24時間のレースに耐えうるマシンの開発、一瞬が命取りになるレースを走り切る体力と精神力。それを成し得るのは情熱でしかない。

ケン・マイルスの情熱は猛火であるので、それは善し悪し両方の影響力を周囲に及ぼす。その姿は不器用で、共感できないことがあるがとてつもなくカッコいい。共に情熱を燃やすキャロル・シェルビーも素敵で、フォード社長をマシンに乗せて爆走するシーンは大好き。僕はここで初めて命を賭していること、レースの恐ろしさを実感できた。ケンを支え続けた奥様の献身という名の情熱にも心打たれる。喧嘩する夫を目にしながら庭で椅子に座るシーンとか痺れるわあ。この3人を始め、腹を括って真っ向勝負する人はカッコいいんだ。

その対比として、副社長のレオ・ビープは良いスパイスになっていて、主人公たちへの感情移入を促進するが、実在の人物を完全なヒールのように描く演出は個人的にはあまり好きではない。ちなみに本物のビーブはレースの結末に対し「なんてこった、こんなはずじゃなかったのに」と言ったらしい。映画をドラマティックにしたかったのだろうが、こういう演出が無くても良かったんじゃないかな。

限りある命の灯火をどう使うか、それは何にどう情熱を注ぐかなんだろう。情熱はやっぱ大事!
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