ノイ村

フォードvsフェラーリのノイ村のレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.5
タイトルが示す通り、フェラーリが勝ち続けてきたル・マン24時間耐久レースに、それまでレースのイメージすら無かったフォードが真っ向から挑むという「無謀な挑戦」を描いた作品。

と書くと「あ、じゃあ興味ないのでスルーで✋」と考える方も多いと思うけれど、これは「全映画ファン必見!!」と言い切れるレベルの会心の一作。


そもそも本作、フォードが「よっしゃフェラーリに勝つべ」と決めてカーデザイナーのキャロル・シェルビーとレーサーのケン・マイルズを起用したものの、
「イメージが悪いやつは使いたくない」
「初めてやってみたけど負けた。お前が悪いからクビ」
「この方が映えるから、こう走ってくれないと困る」
と、レースよりビジネスを優先してガンガンに邪魔をしてくる始末で、実質「VSフォード」状態。

その中で重役相手に機転を効かせて立ち回るシェルビーと、ただひたすら自分・家族・信頼できる仲間のためにクラッシュ覚悟でアクセルを踏み込むケン・マイルズの姿に感情移入せざるを得ないわけですよ...!!!
そしてこの二人の、喧嘩もするけどお互いを完全に信頼し合った関係が見事に描かれていて、この映画は「バディ物」としても本当に良い!!!

勿論、レースシーンはエンジン音唸りまくりの超迫力サウンドに、"いつ展開が劇的に変化してもおかしくない"尋常じゃない緊張感も相まって本当に見事な仕上がり。IMAXで鑑賞しましたが、ここまで"体験"に感動する機会はなかなかないはず...。


「何故、レース映画なのに、そして結末も分かっているのに2時間半も?」と観る前は思っていたけれど、
過去の栄光や今の自分を全て捨てる覚悟で社会に挑むキャロル・シェルビー、
妻や息子と共に自身のやるべきことを見出していくケン・マイルズ、
そしてその二人が真っ正面から挑む圧倒的なレース・シーン、
この3つのドラマが鮮やかに重なっていく見事な展開にすっかり見入ってしまいました。

映画ファンが求めるものが必ずここに詰まっているはず...!!改めて全映画好き必見ですよ!!!!
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