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フォードvsフェラーリのKentaのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.9
米国のフォード社が、レースにおいて敵うはずもない相手、英国のフェラーリにル・マンの24時間耐久レースで挑む勇姿を描く。その仕事を背負うことになったキャロル・シェルビーとケン・マイルズを、マット・デイモン、クリスチャン・ベイルがW主演で演じる。
男たちの勇ましさや格好良さが垣間見える、実話に基づく作品。

過去の英雄、キャロル・シェルビー。彼は、過去にレーサーとして大成功を収め、有名な人物となった。しかし、命の危機が迫り引退。今では、製造会社を立ち上げている。
そんなシェルビーの元に、ある日、フォード社の一人の男が現れる。そして、彼はシェルビーに夢のような提案をする。それは、レース界で最強のフェラーリを負かすための車を製作するというお願いだった。レースに対する熱が冷めてないシェルビーは、そのお願いも受けてしまう。
そして、シェルビーと同じく、ドライバーとして優秀なケン・マイルズと協力をし、打倒フェラーリを目指す…!

自分は、カーレースも車の種類も全くもって詳しくない。フォードとフェラーリかぁ。それくらいだったらわかるなぁ程度。それでも、W主演の演技が最高なせいか、車に対する熱量が直に伝わってきた感じ。最高。

そして、これは絶対に映画館で観るべき映画。家のテレビやスピーカー、ましてや、今後、配信サービス等で携帯やパソコンで観ることができたりしても、この感動は得られない気がする。あのレースの臨場感、これは、映画館ならではな気がする。アカデミー賞で音響編集賞を取ってるだけあり、音には力が入ってる作品のため、爆音上映で観るのがベターかと。

そして、マット・デイモンとクリスチャン・ベイルが適役なのもあって、まるで画面から、オイル臭さや男の汗臭さ、レースの排気ガスの臭いなどを感じてしまうほどだった。シェルビーとマイルズの友情も、レースに負けじとアツかった。男同士の本気の殴り合い、お互いを知り、信頼してるからこその友情。本来、レースでは無茶だと思われることも、マイルズやマシンに信頼を寄せているシェルビーは、出来ると信じられる。それはきっと、彼だから。終始男のロマン溢れる作品だった。

今作、なんといっても、実話を基にしているというのがまた最高ポイント。彼らは本気で戦ったが、あくまで、フォードもフェラーリもレースは商売。本気の戦いでさえもビジネスなのが遣る瀬無い気持ちになってしまった。でも、マイルズの選択は間違っていなかったと思う。
そして、そのまま気持ちいいままエンディングを迎えると思いきや、ラストに衝撃の事実を。二人とも本当にかっこよすぎた。
車に関する知識が長けていれば、迷うことなく満点をつけていた作品だった。
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