日本の宣伝ではシリーズものであることをほとんどアピールされていなかったので、結局物語の導入で終わって少し拍子抜け。
原作(新訳版)でいえば、上中下巻のうちの中巻に入ったところまでのお話。
導入に贅沢に時間を使った割には原作を読んでいない人を切り捨てていく感じの構成だし、原作からの変更点もあまりその必要性を感じず。
意図したものかは分からないが、アトレイデス家の各キャラが原作より浅はかに描かれているような…。
ハンス・ジマーの音楽は美しいのだが、全体的に仰々しいので、導入で大して話は動かないにもかかわらずずっとクライマックスのような印象で、どうにも感情が追いつかない。(そのせいなのか役者陣の演技も仰々しく感じた)
同じく映像は美しいものの、導入なのでストーリーに起承転結がないうえに、重量感のある巨大な船が登ったり降りたりのシーンにやたら尺を使っており、それがさらに冗長な印象を強めてしまっている(こういうシーンはいかにもドゥニ・ヴィルヌーヴっぽい)。
終始、今のはなぜそういうセリフにした?どうしてこのシーンを挿入した?何のためにこの構図にしている?というのがピンとこず、「それっぽい」映像を見せられていた感覚を覚えた。
繰り返し見れば納得するのかもしれないが、本作を繰り返し見るのはかなり厳しい。
続編は2年後とのことだが、
その頃にもう一度この作品を見返す気力が起きるかはかなり微妙。